コラム「経験知×学問知〜マーケティング・サイエンスで市場を読み解く〜」では、マーケティングに関する話題を随時発信します!

コラムの内容に関するお問合せ・感想はこちら
経験知×学問知〜マーケティング・サイエンスで市場を読み解く〜
第7回 バンドリング(セット販売)

 こんにちは。構造計画研究所の山崎です。

 今回は飲食店等でよく見かける「バンドリング」について考えてみたいと思います。

 「バンドリング」とは、いくつかの商品を組み合わせて販売することです。
まずは、商品を個別販売するケースを考えてみましょう。

 あるハンバーガー店では、ハンバーガーを700円、ポテトを400円で販売しています。
そこに、AさんとBさんがハンバーガーとポテトを買いにきました。
ハンバーガーに対して、Aさんは700円、Bさんは600円、ポテトに対しては、それぞれ300円、400円まで支払ってもよいと思っています。
このように、消費者がある商品に対して支払ってもよいと感じる価格を「留保価格」と呼びます。

 AさんとBさんはそれぞれの留保価格を下回る商品を購入します。
つまり、Aさんはハンバーガーのみを購入、Bさんはポテトのみを購入します。
このとき、お店の売上は700円+400円=1100円となります。

 では次に、ハンバーガーとポテトをバンドリング(セット販売)するケースを考えてみましょう。
セット価格が900円だとすると、セット価格900円はAさんとBさんの留保価格のそれぞれの合計1000円を下回っているので、AさんとBさんはともにセットを購入します。
このとき、お店の売上は900円+900円=1800円となります。

 このように、セット販売するケースでは、お店は売上を増やすことができ、AさんとBさんは留保価格を下回る価格で商品を購入することができました。

 バンドリングは、それぞれの商品の留保価格が顧客によって異なるときに有効な方法と言われています。
飲食店以外でも様々な商品がバンドリングされて販売されていますので、買い物の際に注目してみるのも面白いかもしれません。

参考:『マーケティング・サイエンス入門』第6章 プライシング

コラム一覧に戻る


このエントリーをはてなブックマークに追加